実践心理学体験レポート

私が、初めて実戦的な心理学を学ぼうと考えて通ったのが、日本メンタルヘルス協会の基礎コースでした。

そこの修了レポートをアップしてみます。講師の衛藤信之先生の紹介してくださる著作など、すべて読みました。

実践的な心理学のよさを痛感したものです。そのときの修了レポートがでてきましたので、アップしてみます。

 

心と体の相関関係

 

本レポートでは、体験・前編・後編の各々の講座の内容について、各章においての気づき・印象・感想などを記述することとする。

 

(体験講座)

この体験講座だけでも得るものが多い内容であった。少なくとも、これからの実践的な心理学の方向性を示すものとして、抜群の内容であった。価値観、離別感など多くのことを学べた。まさに、大学では学べない内容も多く盛り込まれていた、たいへん魅力的な講座内容であり、先が知りたいと思った。全体的なダイジェストといった感じであった。まさに、実践的な心理学といった感じで、魅了された。

 

(前編)

1聴き方秘密のテクニック

「パッシブリスニング」(沈黙・あいづち・思いを引き出す言葉)と「アクティブリスニング」(繰り返す・話をまとめる・気持ちをくむ)という、聴き方の二分類は、言われてみて、はじめて意識した。聴き方を二分類することですっきりと理解することができた。また、カール・ロジャースの非指示的な聴き方の重要性について理解できた。「芸能記者質問型」「過保護同意型」「おせっかいな助言型」「冷静な学習型」「うるさい説教型」「ノー天気なごまかし型」という、やってはいけない質問の仕方は、日常でうっかりやりがちであるので、気を付けたいと思った。

2心のストレスを取り去るからくり

脳幹・大脳辺縁系大脳新皮質という、脳の三層構造と進化の過程を考えることで、脳幹に焦点を当てる考え方により、本能を解放する生き方は、大脳生理学を応用したもので、心理学に脳の研究を持ち込む重要性を改めて認識した。脳には興味があったので、たいへん興味深い内容であった。この大脳を生かした心のストレスを取り去る方法は、説得力があり、参考になった。また、三大本能として、「食欲」「性欲」に加えて「集団欲」というものが存在することは、目から鱗であった。今のNPOの在り方にも通じるものであると思った。

3大切な人への心の伝え方

「救助の自己開示」「感謝の自己開示」「予防の自己開示」という、自己開示(Iメッセージ)の仕方の三分類は、たいへん役に立った。普段、YOUメッセージになっていることが多いので、Iメッセージにする重要性を認識した。なかなか言いにくいことではあるが、積極的に活用してみようと思った。

4悩みを取り去るマイクロ・カウンセリング

アレン・アイヴィの提唱するマイクロカウンセリングの有効性は、さまざまな症状について対応するスキルを身につけることの有効性であった。最近、よく耳にするNLPという心理学があるが、そのの原点をみるような印象を受けた。むしろ、NLPよりもマイクロカウンセリングのほうが、それぞれのカウンセリングの原点を示してあるので、発展学習がしやすいという印象を受けた。このマイクロカウンセリングという考え方には、心から賛同した。

 

(後編)

1わかりあえる解決法

紙に書き出すとすっきりと整理でき、悩みを解決する方法は、デール・カーネギー『道は開ける』やセルフカウンセリングなどの世界では有名である。その価値観の違いという根本に関わる問題についての解決法をブレーンストーミング(脳の嵐)という、会議で徹底的に紙に書きだす手法を用いて見事に解決する手法は、すばらしいと思った。一見、狂ったように紙に思いつくままに書き出していくのだが、まさに、win-winの発想で、ワークも盛り上がった。ぜひ、実践してみたいと思った。また、ワークを通じて、あまり考えずに紙に書きだすのも効果絶大であることは、初めて知った。このブレーンストーミングのワークのあとで、知人に試してみたところ、効果絶大であった。この方法の上に、「勝負なし法」(何についての対立か、はっきりさせる。いろいろな解決策を出してみる。出てきた解決策を一つ一つ評価する。一番いい解決策を選ぶ。その解決策をどうやって実行するかを考える。うまくいっているかを調べる)と「会議のやり方」(問題発見会議・ブレーンストーミング・評価意思決定会議・役割実行会議・定期的フォロー会議)(があることがわかった。特に、会議のやり方の手順の箇所で、「ブレスト会議」を用いることの価値が理解できた。

2落ち込みグセ脱出

アルバート・エリス博士の論理療法は、ABC理論(A出来事、B受け取り方、C感情)に基づき、視点を変えることで、見方も変わることが示され、物事のとらえかたの重要性を感じた。非論理的(イラショナルビリーフ)から論理的(ラショナルビリーフ)への視点の変換は、重要だと思った。とらわれてはいけないことを学んだ。「should」「must」といった「ねばならない」「てはいけない」ということは、とらわれの思想であると思ったので、注意したい。

3音楽力

音楽の与える力やイメージ力を痛感する内容であった。特にワークのときに、さまざまなイメージに意見が参考になった。本能が喜ぶ1/fというゆらぎの音が重要であることは、意外であった。また、音楽については、モーツァルト、バッハ、ビバルディなどのバロック音楽が心臓の心拍数に近い音なので、心によいということは知っていたが、アルトシュラー博士の「同質の原理」には、固定観念を打ち破る考え方であった。感情を解放するために、悲しいときには、あえて悲しい音楽を聴くことの重要性は、すばらしいと思った。また、情動発散には、「動的開放」と「静的開放」とがあり、疲れているレベルとストレスのレベルに分ける考え方も参考になった。

4生まれ変わる8ステップ

エリクソンの人間の成長段階に応じた獲得する理想のテーマ(基本的信頼・自律性・イニシアチブ・生産性・自我同一性・親密さ・生殖性・自我の統合)を追うことで、どこで躓き、どこで成長を阻害しているかを知ることで、生き方の指針につながった。この8つ段階(乳児期、2歳前後、3から6歳、児童期、思春期、成長期、親となる時期、中年期から老年期)に分類することで、人生を考えることができた。

5魔法の暗示

近年、プラス思考に対する疑いの本が出版されているが、本当の意味でのプラス思考とは、生き方・考え方に加えて脳波がα波であることがよく理解できた。また、ことばの暗示の威力が絶大であることを感じた。理性脳・本能脳・脳幹・自律神経・交感神経・副交感神経といったキーワードも重要であると感じた。また、脳波の種類、α波の効用、自律訓練六方式の説明もよく理解できた。講座では、実際に催眠状態になった受講生の状態や、持ち上げられるようになる実例を示した上で、自己催眠・自己暗示の効果がよく理解できた。脳波と暗示、潜在意識について考えるきっかけになった。また、ハンス・セリエ博士のストレスについての考え方もよく理解できた。

6テストセラピー

YG検査やバウムテストといった心理学の講座での深層心理テストの存在は知ってはいたのだが、実際にやってみたのは、初めてであった。特に絵画法(バウムテスト)は、現在や過去の自分の状態がよく反映されていると感じた。木や家族を描くことがカウンセリングに役立つことがわかった。絵画の不思議を体感することができた。

7幸せ発見法

フリッツ・パールスのゲシュタルト療法は、治療カウンセリングの中でも効果絶大であると感じた。聴くだけでは解決できないことを、椅子を用いながらポジションチェンジを「行うことで視点を変える技法によって、考え方を変えていくやり方は、カウンセラーがいなくてもできる方法なので、素晴らしいとおもった。また、その源流が森田療法にあることも、意外であった。世界の東西での影響関係も面白いと思った。このことにより、救うことができるので、すばらしいと思った。

8未来心理学

トランスパーソナル心理学については、以前から興味があったのだが、心理学での実際の講義を聴くのは初めてであった。ユング集合的無意識という考え方については、ぼんやりとしか意識していなかったのだが、映像などでの説明がわかりやすかった。実は、ユング集合的無意識は、どのような活用法があるのかわからなかったのだが、シンクロニシティやトランスパーナル心理学につながるものであることが、よく理解できた。このトランスパーソナル心理学を積極的に活用したいと思った。