大学入試・国語の学習法(9月ー12月)

国語の学習法(9月-12月)

 

0.前提

 過去問・模試・授業で扱った事柄を中心に、出題傾向に合わせて計画を立てることが大切です。あくまでも、参考書・問題集は弱点補強です。注意点としては、「文学史が出題されているか」、「文法問題の難易度は高いか」、「基礎知識が出題されているか」、「近代文語文が出題されているか」などです。

 

1.現代文

2.1重要語・漢字

現代文の語彙力をつけるために、漢字の問題集と重要語を示した本を読んでおくと、現代の入試問題が読みやすくなり、たいへん効果的です。使いやすい現代文重要語の用語集を読み、現代文の復習の際に「辞書引き学習法」を行い、漢字も問題集で練習し、意味も辞書で確認するようにしましょう。

(例)『頻出漢字と基礎知識』(河合出版)

『ことばはちからだ 現代文キーワード』(河合出版)

『現代文キーワード読解』(Z会

2.2基礎知識・文学史・口語文法

東京書籍、浜島書店、第一学習社などから発売されている『国語便覧』は、入試問題の際の参考として利用されています。やる気が出ないときや、息抜きの代わりとして、『国語便覧』を読むようにすると、たいへん効果的です。また、文学史は、薄めの演習形式の問題集をやるとよいでしょう。日本史受験の場合には、文化史を学習すると、効果的です。また、口語文法の問題も国語便覧を読む程度で対応できます。

(例)『ぶっつけ日本文学史』(文英堂) 『speed攻略10日間 文学史』(Z会

2.3読解

自分の使いやすいと思う解説の附いた問題集(入試問題を題材にしたもの)をやるようにしましょう。解説が多いものと、問題が多いものとがあります。受験の際には、勉強することが多く、読書量が不足気味になります。それを補うためにも、入試問題という精選された現代文の文章を読み込むことで、読書の代わりとする気持ちが大切です。

近代文語文の場合、擬古文系統と漢文訓読系統のものがありますが、明治時代の明治文語文は、知識人が好んだ漢文訓読系統のものが一般的です。漢文の基礎を学習しておけば、過去問を音読して復習して慣れることが大切です。不慣れであるなら、駿台文庫から近代文語文に慣れるための本も発売されています。

また、融合問題は、古典を現代文で解説するタイプのものがほとんどなので、現代文から古典を読解するとよいと思います。これは過去問で対応できます。

(例)『入試現代文へのアクセス(基本編)』(河合出版)

『実践演習・現代文(基礎・標準)』(桐原書店

『マーク式基礎問題集 現代文』(河合出版)

 

2.古文

2.1文法

文法の本は、問題形式のドリルで一冊仕上げてあれば、復習で対応できます。ただし、難関や文学部で細かい文法問題が出題される大学を受けるときには、追加でハイレベルな問題集をやるとよいと思います。

(例)『やさしくわかりやすい古典文法』(文英堂)

『古典文法基礎ドリル』(河合出版)

『古典文法トレーニング』(河合出版)・・難関・・

『富井の古典文法をはじめからていねいに』東進ブックス

『古文ヤマのヤマ』(学研)

『望月の古典文法講義の実況中継』(語学春秋社)・・難関・・

2.2単語

気に入った古文単語の本をマメに辞書の代わりにめくるようにしてみましょう。その際に、例文やコラムもすべて読むようにしてみましょう。そうすることで、古文単語のニュアンスがつかめるようになってきます。単語集にないものは、古語辞典を引いて追加でメモ帳をつくると効果的です。

(例)『マドンナ古文単語』(学研)

   『古文単語565』(アルス工房)

2.3基礎知識・文学史・和歌

『国語便覧』は、入試問題の際の参考として利用されています。やる気が出ないときや、息抜きの代わりとして、『国語便覧』を読むようにすると、たいへん有益です。日本史の「しきたりや文化」などを学習すると効果的である。

和歌の出題は、「百人一首」に類似したものからの出題が多いので、1-62までをじっくりと、修辞技巧・語句・文法を熟読しておくとよいでしょう。特に、1-30は、和歌の基本が凝縮されているので、暗記したほうがよいと思います。

 (例)『マドンナ古文常識』(学研)

『原色カラー版 小倉百人一首』(文英堂) 『speed攻略10日間 和歌』(Z会

    『speed攻略10日間 文学史』(Z会

あさきゆめみし』(講談社漫画文庫) 『天上の虹』(講談社漫画文庫)

『平安女子の元気な生活』(岩波ジュニア新書)

『平安男子の元気な生活』(岩波ジュニア新書)

2.4読解

文法のドリル形式のテキストを一冊終えたら、自分にとって使いやすい入試問題を題材に編集された問題集をやるようにしましょう。入試問題から学ぶ姿勢が大切です。

(例)『実践演習・古文(基礎・標準)』(桐原書店

『古文上達・基礎編』(Z会) 『基礎古文問題精講』(旺文社)

『マーク式基礎問題集 古文』(河合出版)

 

3.漢文

3.1句形

 漢文は、句形を仕上げたら、過去問を解いていけば慣れるのが一番の早道です。どの出版社のものでもよいので、一冊仕上げましょう。苦手な場合は、講義型参考書を使うとよいと思います。

(例)『やさしくわかりやすい漢文句形』(文英堂)

『漢文句形ドリルと演習』(河合出版)

   『漢文早覚え即答法』(学研)

   『漢文ヤマのヤマ』(学研)

3.2語句

漢文単語は、句形のドリルや解説書の付録、教科書の脚注や国語便覧の漢文単語を読むように心がけるとさらに理解が深まります。

(例)『漢文句形とキーワード』(Z会

3.3基礎知識・文学史漢詩(中国古典詩)

『国語便覧』を読むようにすると、背景知識や文学史漢詩の説明が施されており、役に立ちます。漢詩の出題率が高く、漢詩に慣れたいのであれば、漢詩の考え方に慣れたいのであれば、NHKのラジオ番組で「漢詩への誘い」を聴くようにすると、漢詩の考え方がわかります。

(例)『日本文学史』(河合出版)

NHKラジオテキスト 漢詩への誘い』(NHK出版)

漢詩入門』(岩波ジュニア新書) 『漢詩のレッスン』(岩波ジュニア新書)

『漢語の知識』(岩波ジュニア新書)

3.4読解

句形のドリル形式のテキストを一冊終えたら、自分にとって使いやすい入試問題を題材に編集された問題集をやるようにしましょう。入試問題から学ぶ姿勢が大切です。

(例)『実践演習・漢文(基礎・標準)』(桐原書店

『マーク式基礎問題集 漢文』(河合出版)

 

4.注意点

a.9月以降は、過去問に合わせて、語彙力や基礎知識を高めながら、入試問題に慣れ、計画を立てて進めて行く時期である。

b.過去問は、10月の段階で3割以上正解できていれば、その志望校は狙ってよい。

c.調子がわるいときは、復習すると効果的である。復習は、「選択肢を検討する」「解答の根拠の箇所をマーカーで引く」「音読する」「辞書で確認してメモする」ようにすると効果的である。また、漢字・単語などの単純作業も効果的であり、学習漫画を読むのもよい。

d.記述問題は、マークの正解のような文章を心がければよいので、実は、あまり記述問題(抜き出し問題を除く)では大きな差がついていないのが現状である。しかも、部分点がつく。