2021-01-01から1年間の記事一覧

熊崎式姓名判断の源流

2021年12月5日(日) (第31回)人体科学会・口頭発表資料 於zoom開催 熊崎式姓名判断の源流 ―その批判的考察と言霊- 國學院大学兼任講師 大東文化大学非常勤講師 岡田 誠 【要旨】 現在、日本で主流を成している姓名判断の一つに、画数を基準とするものが…

面白かった俳句の本

外山滋比古『省略の文学』 桑原武夫『第二芸術論』 浅野信『切れ字の研究』

大学入試・国語の学習法(9月ー12月)

国語の学習法(9月-12月) 0.前提 過去問・模試・授業で扱った事柄を中心に、出題傾向に合わせて計画を立てることが大切です。あくまでも、参考書・問題集は弱点補強です。注意点としては、「文学史が出題されているか」、「文法問題の難易度は高いか」、「…

ハーロウの猿実験

ハーロウの代理母の猿実験 -布製代理母と針金製代理母の比較実験- アメリカの心理学者ハリー・ハーロウによる実験で、発達心理学の分野では良く知られた実験を紹介します。このハーロウの実験は、社会的に衝撃を与え、動物擁護運動を生み出すきっかけにも…

文節の記述

「文節」の記述の特徴 岡田 誠 序 本稿では、『日本語学研究事典』(明治書院)、『日本語大事典』(朝倉書店)、『日本語学大辞典』(東京堂出版)の3冊の日本語学の専門辞典に見られる「文節」の記述の特徴を示してみる。 1.『日本語学研究事典』(明治…

藤原定家と日本語学

藤原定家 1.藤原定家(1162-1241) 藤原定家は、「ふじわらのさだいえ」が正式名称ですが、歌学や書道の世界では尊敬するときには音読みする習慣があるので、「ふじわらのていか」と呼ぶことが多く行われてきました。また、「姓+の+名」にする所属の「の…

藤原定家と日本語学

藤原定家 1.藤原定家(1162-1241) 藤原定家は、「ふじわらのさだいえ」が正式名称ですが、歌学や書道の世界では尊敬するときには音読みする習慣があるので、「ふじわらのていか」と呼ぶことが多く行われてきました。また、「姓+の+名」にする所属の「の…

文学作品と日本語学(1)

文学作品と日本語学(1) 1.文学史の整理-上代から中世 上代文学 古事記・・稗田阿礼誦習。太安万侶の筆録。 日本書紀・・舎人親王。 万葉集・・大伴家持撰。「ますらをぶり」 物語文学(平安時代) 【伝奇物語】 竹取物語・・「物語の出で来はじめの祖」(…

流行・攻撃性

流行について (流行のイノベーター理論) ○異端期 イノベーター・・好奇心旺盛で革新的な消費者が、新商品をいち早く購入する。市場の2.5%。 ○流行期 オピニオンリーダー・・個性的であることを好む人たちがイノベーターを追う。市場の13.5%。 アーリーマ…

小西甚一の漢文私観

小西甚一の漢文についての学習参考書はないが、小西甚一(1966)には、漢文好きであったが、能勢朝次の意向で国文科に回されたことや、江戸時代後期の訓読が、徂徠学派の影響及び漢学者のギルド化によるとして以下のように批判している。 漢文教育が株屋仲間…

シュプランガーの価値類型

シュプランガーの価値類型による分類 人は常に周囲の環境社会と関係をもちながら生活しているが、その社会生活上の諸活動や文化の諸領域への関心や価値志向のあり方を見ると、そこには人によって様々な相違が見られる。シュプランガー(Spranger, E. 1914)…

ユングの類型論

ユングの類型論 ユングは、大きく人間の性格を内向型と外向型に分類し(フロイトと兄弟子のアドラーが対立しているのは関心の向きではないかと推測したのがスタートとされる)、さらに誰でも心には4つの機能があるとし、その4つの機能類型の中で一番、発達し…

『更級日記』の夢の記述

『更級日記』の夢の記述 『源氏物語』耽読 はしるはしる、わづかに見つつ、心も得ず心もとなく思ふ源氏を、一の巻よりして、人もまじらず几帳(きちやう)の内(うち)にうち臥して、引き出(い)でつつ見る心地、后(きさき)の位も何にかはせむ。昼は日ぐらし、夜…

クレッチマーの分類

クレッチマーの体格と病気との関係-気質の視点- クレッチマー(1888-1964、ドイツの精神医学者、体格と性格との関係を研究)は、臨床経験から、 体格のタイプにより特定の病気の確立の高いことを述べており、人相学にも大きな影響を与えています。そのク…

性格

性格について 「性格は変わるか」については、さまざまな意見があります。先天的な部分と後天的な部分とがあることはいうまでもないでしょう。行動主義者は、死刑廃止の立場をとっています。つまり、どんなに歪んだ強化歴を持つ人でも、新しく望ましい、そし…

同格「の」の教え方

古典における同格「の」をどのように教えるか 岡田 誠 論者は、二十年以上、高等学校と大手予備校で、古典及び古典文法の授業を担当してきた。その際に、生徒を指名したり、練習問題の演習を行ったりすると、主格の「の」と同格の「の」の箇所で躓いてしまい…